ゆりは、芳樹が好きだった。

芳樹も、ゆりが好きだった。

言われなくても、見てればわかった。

だから、俺は、ゆりが好きだっていう気持ちを、隠すしかなかった。

ゆりに伝えたって、ゆりを困らせるだけだから。


ゆりに伝えられない想いを、ピアノの練習にうちこむことで、忘れようとした。


そんな時、1/2成人式で、ゆりからカードをもらった。


「好きな異性」


・・・そんなの、書けるわけないじゃんか。