出国の時間ぎりぎりまで、ゲートで待ってたけど。


「もう、行かないとな」

「うん」

「ゆり」

「なあに、雅人くん」

「俺は、おまえだけのものなんだから、距離とか時間とか気にしないで、連絡してこいよ」

「はい」

「じゃ、行ってくる」

「気をつけてね」


雅人くんは私を抱きしめて、キスしてくれた。

何度も振り返って、手をふって。

私は、雅人くんが見えなくなるまで見送った。