「俺も。

小学校で意識しはじめて、10年だろ。

その間ずっと、何度も思い出してたんだ。

いま、どこで何してるんだろうとか、ずっと気になってた。

こんなに好きなのは、おまえだけだよ」


優しいキス。

キスで、言葉で、何度も気持ちを伝えてくれる雅人くん。

私は、ただひたすら、信じていればいいんだ。



「10年後も、それからもずっと、一緒にいよう」

そう言うと、雅人くんは私に細長い箱を差し出した。

「俺のことを忘れないための、プレゼント」

「開けていい?」

「もちろん」


それは、指輪がさがっているネックレスだった。


「うそ・・・」

「指輪は、バイト中につけられないかと思ってさ。

ネックレスなら、いつでもだいじょうぶだろ?

あっでも、指にはめられる時は、つけろよ」


そう言うと、ネックレスから指輪を外して、私の左手薬指にはめた。