10年後も、キミと。

私は、答える代わりに、芳樹くんのために買ったクリスマスプレゼントを出した。


「私は、このプレゼントを選んでたの。

で、女の子と一緒にいる芳樹くんを見て、ただただ悲しかった。

少し距離をおいてみて、考えたくなった」

「それで、スマホの電源切ったの?」

「そう。

でも、私どこかで期待してた。

芳樹くんが迎えに来てくれるんじゃないかって」

「迎えに行こうと思ったけど、余計嫌われるかもって怖かったんだ」

「私、だいぶ参ってて、バイトでもミス連発しちゃって。

そんなとき、雅人くんの声が聞きたくなった。」