「だって、未来のことなんて誰にもわからない。

自分のした選択に、後悔するかもしれない。

けどね、やり直せるって思えれば、失敗は怖くないでしょ。

だから、選択肢は多い方がいいんだって」


利絵らしい、サバサバした意見。

ジメジメしてる私とは、大違い。


「選択肢、かぁ」

「そ。オトコを選べるなんて、長い人生でもそうそうあることじゃないよ」


1限目開始を知らせるチャイムが鳴った。


芳樹くんは、今までどんな経験を積んできたんだろう。

私の知らない、どんな芳樹くんがいるんだろう。