「!!花びらが……何かいい事あるかな?」
自分の差し出していた手の上に花びらが飛んできた事に喜ぶ。
桜は飛んできた花びらを生徒手帳に挟み、席へ戻って帰り支度を始めた。
(結局、誰とも仲良くなれなかったな)
桜は、どうしようと悩みながら廊下を歩いていた。
「まぁ、これからだよね!頑張らなくちゃ」
そう自分に言い聞かせ、玄関へ向かう途中。
桜の木が見えた。
あの大きな桜の木。
もう一度、手を伸ばす。
「もっと近くで見てみたいな」
桜の足は無意識の内にその木の元へと進ませていた。
急いで靴を履き替え、外へ出る。
あの大きな桜の木はどこにあっただろうか?
確か……
「……あった!桜の木」