梨乃たちにうちあけてすぐ、
私は優也に呼び出された。


いつもは隣のだれも入ってこない
空き教室だったのに、
なぜか今日は中庭である。


もしかして…梨乃にコクるとか…?


もやもやした気持ちで
優也を待っていると、
少し深刻そうな顔をした
優也が歩いて中庭にきた。


「和歌菜!なんかごめんな
こんなところまで呼び出して。」


なんだろ?やけに素直というか…

「全然いいけど…急にどうしたの?」


「あのさ、俺…
聞いちゃったんだ。」


「聞いたってなにを??」


「俺と付き合ってみる??」


「へ?」


え、ちょっとまって?



いまなにが起こってるの??



付き合ってみるって??



どういうこと??


頭のなかがぐちゃぐちゃ
になった。


「は?どういうこと?
だって優也は梨乃のことが
好きなんだよね?」


「まぁそうだけど…」



「じゃあ!!…」



「無理なんだよ!!!!」



少しかぶせ気味だった。

無理って??
だって梨乃の好きな人って…


「梨乃は振り向いてくれない。」



は?そんなわけ…


「俺…聞いちゃったんだ。
中庭で和歌菜たちが話してるの。」


え?それって…


「和歌菜、俺のこと
す、好きって…」



嫌な予感が的中した。



「そのときにさ、梨乃
和歌菜を応援するって
言ったのも聞こえたんだ…」


「え?」


「 梨乃は俺のことを見てない…」


言葉を出そうとすればするほど
何も言えなくなった。