かばんを取りに教室へ戻る

「今日も女子から告白??モテる男子も大変だね〜〜♪」

「結月....!」

待っててくれてたんだ....!

気づけば2ーDと札のかかった教室には、私と結月しか残っていなかった。

「泣かせちゃった。あんな可愛い子を....泣かせたくなかったのに.....サイテイだ....」

「あんたね、ほんと女泣かせだね。女なのに!」

「えっ!?どういうこと!?」

「しかも無意識ときちゃあ....ね。ファンの子もかわいそうだわ....」

苦笑いする結月。

....応答ネガウ応答ネガウ
意味ガ理解デキナイ

「そんなことより....ねぇ、翼?」

「ん?」

「このまま、隠し通すつもりなの?女だってこと。」

"本条翼"が女と知っているのは結月だけ。

そして、私の過去を知っているのも。

「うん。今更言えないし、言うつもりもない。でも、こうすることであの出来事を終わらせられるだなんて、1mmも思ってないよ。許されないことも知ってる。」

「!!だからっ!翼はなにも悪くな「なぁ。」」

結月の言葉は遮られた。

「どういうこと?」

いつもより低めの、
瀬尾の声によって。