『具合悪そうだし点滴持ってきてもらうね』 そう言ってナースコールを押した。 彩夏ちゃんの様子を見ようと後ろを見てみると彼女は震えていた。 注射が怖いのかな。 俺も注射が嫌いだからなんとなくわかる。 『もしかして、注射嫌い?』 俺がそう聞くと彼女は首を縦に振った。 『俺も注射嫌いなんだ。 だから彩夏ちゃんの気持ちわかるよ。 苦手なものはいつになっても苦手だもんね』 注射嫌いはなかなか人には理解してもらえない。 俺も理解してもらえなくて辛い思いをした。