『彩夏、かゆみどめを持ってきたからちょっと上の服を脱いで』
えっ、服を脱ぐなんて恥ずかしすぎるよ。
『彩夏、どうしたんだ。 痛くないから大丈夫だよ』
『服を脱ぐの恥ずかしいよ………』
『ごめんね、恥ずかしいよな。 でも、薬を塗らないとかゆみが治まらないから少しだけ我慢して』
『……うん』
これ以上春樹を困らせる訳にはいかないから服を脱いだ。
『彩夏、大丈夫だからな』
春樹は優しく撫でてくれた。
春樹の手はいつも私を安心させてくれる。
でも、やっぱり恥ずかしい…………。
『じゃあ、薬を塗るよ。 少し薬が冷たいけど痛くないから大丈夫だよ』
『…うん』
……冷たい
『終わったよ。 薬が乾くまでそのままでいてね』
じゃあ服を着れないの…………。
恥ずかしいよ。
『えー 服来ちゃだめ?』
いちおう聞いてみた。
『恥ずかしいよな。 俺、外に出ていたほうがいいか?』
優しく聞いてきた。
『ううん ここにいてほしい。』
恥ずかしいけど春樹にそばにいてほしかった。
『本当にいいのか』
『うん、大丈夫 春樹がそばにいるほうが安心するし』
『そんなことを言われると照れるぞ』