それからしばらくして、お腹いっぱいになったあたしたちは店を出た。
「ごちそうさまでした。」
「どういたしまして。」
気づくと、立花さんがお会計を済ませてくれていた。
このスマートな感じ。
さすが年上の男性って感じだよね。
立花さんが車にエンジンをかける。
助手席でシートベルトをつけていると、
「ゆらちゃん。」
立花さんに名前を呼ばれ、立花さんを見つめる。
「何ですか?」
「もう少し時間大丈夫かな?」
「えっ?」
「ちょっと、一緒に行きたいとこがあって。もう少しつきあってくれる?」
立花さんの申し出に、一瞬迷うあたしだったが、
「はい。大丈夫です。」
ほろよいの勢いか、
次の瞬間には、そんな言葉を口にしていた。