「しっかりしな!ゆらが信じてあげなきゃ。信じて待ってあげなきゃ。ね?」


「うん。」




優華と微笑み合うと、飲み物を手に持った原口さんが戻ってきた。




「なんだよ、まだ起きねーの?こいつ。すやすや寝すぎなんだよ〜。」



そんなことを言って、場を明るくしようとしてくれる。



「そうですよね。ねぼすけさんなんだから〜。」



あたしも、笑顔でそれに答える。



原口さんに、気を遣ってもらってばかりでは、申し訳ないから。






でも、


それから、愁くんが起きることはなかった。


何日たっても、目を覚まさなかった。



主治医の先生も、原因がわからないと言った。




愁くん、、


どうして目を開けてくれないの?


みんな待ってるんだよ?



早く起きてよ。


あ〜よく寝た、なんて言って、みんなを安心させてよ。



疲れてただろうから、ちょっと長く寝過ぎちゃったのかもしれないけど、


そろそろ起きなきゃ。



ね? 愁くん。