「愁のご両親も、またすぐこっちに向かってるみたいだから。」
「はい。」
「あとは、愁を信じて待とう。」
「はい。」
すごいな。
原口さんも、本当は不安なのに、あたしがこんなんだから、代わりにしっかりしてくれる。
しばらくして、主治医の先生が出てきた。
「先生!愁は大丈夫なんですか?」
すぐにかけよる原口さん。
「ええ、いまは落ち着いて眠っています。」
あたしたち3人は、ホッとため息をついた。
「ある程度調べましたが、脳自体には、何も異変は見つかりませんでした。しかし、脳波に少し乱れがみられます。意識もまだ戻りませんし、念のため、このまま入院していただいた方がいいでしょう。」
「そうですか。」
「命に別状はありませんので、安心してください。ご家族の方が来られましたら、スタッフの方に言って、私のところへ来ていただくようお願いします。」
「わかりました。」
それだけ言うと、主治医の先生は去り、ストレッチャーに乗った愁くんが運び出されてきた。

