「これから、いっぱい思い出作っていこうよ。絶対に、もう何があっても忘れられないくらい、楽しくて、幸せな思い出。」
「ありがと、ゆら。」
愁くんになでられる髪から、愁くんの優しさがいっぱい伝わってくる。
あたしの胸は、ドキドキと弾みだす。
あたしたちなら大丈夫。
いままでの思い出なんて、相手にならないくらい、これからもっともっと思い出を作ろうね。
愁くんと、
もっと、泣いたり、笑ったり、いろんなことをしたい。
たくさんの思い出で、あたしたちの記憶を、心を、埋めつくすの。
一日一日を大切に、、。
今回のことで学んだの。
本当に、誰だって、いつ何があるかわからない。
もしかしたら、今度はあたしが事故に遭うかもしれない。
優華が病気になるかもしれない。
原口さんが、何か事件に巻き込まれるかもしれない。
美奈や赤ちゃんにだって、あたしの家族にだって、何があるかわからない。
いまこうして、一緒にいられる1分1秒も無駄にしたくない。
絶対に後悔なんてしないように、何一つ悔いを残さないように、
幸せだと、胸を張って言える毎日を過ごしたい。
「ゆら、愛してる。」
愁くんの、優しくて、温かいキスに目を閉じる。
うん、、
幸せだ、、。
「あたしも、愛してる。」
歩き出そう。
もう、迷ったりしない。
お互いの気持ちが、離れないように、
しっかりと手をつないで、
新しい一歩を、踏み出そう。