さよならだね。





「ちょっ、、!愁くん!」



びっくりしたゆらの顔は、すぐに真っ赤になった。


そんなゆらが、可愛くて可愛くてしょうがない。




俺は名残惜しさを感じながら、家の前で立ちつくすゆらの姿をミラーで見ながら、その場を後にした。



自宅に帰る車の中で、いままでゆらがいた隣を見ると、いますぐにでも会いたいと思う。


でも、さっき抱きしめたときの感覚が、ゆらの温かさが、ゆらの香りがしっかりと残っていて、それだけで俺は穏やかな気持ちになれた。






家に帰って、俺はコーヒーを淹れる。


淹れたてのコーヒーをマグカップに注ぎ、それを手に俺はベランダに出る。


コーヒーを一口飲んで、ふと空を見上げる。



そこにはきれいな星空が広がっていた。


ふと頭に浮かぶのは、ゆらの顔。




いままでに見たいろんなゆらの顔を思い出しながら、俺は柄にもなく悩んでいた。


俺みたいのが、ゆらに似合う男なのか?

いまは真面目に働いてるけど、昔の俺は、当然だけど自慢できるような人間ではなかった。



ゆらは純粋だ。

真っ直ぐで、澄みきった目をしてる。


そんなゆらに、俺はふさわしいんだろうか。