ジキルとハイドな彼

「わお!」

さすが春日プレジデンスタワー。

期待を裏切らず広々としたバスルームだ。

円形の白いバスタブに一面黒いタイルが張られてスタイリッシュな造りになっている。

洗面所との仕切りはガラスになっていてちょっとセクシーだ。

ダークウッドの洗面台の上には清潔そうなタオルが重ねて置いてあった。

本当はバスタブにお湯をタップリ張ってゆっくり浸かりたいところだけど、今日のところはシャワーで我慢しよう。

蛇口を捻り、熱いお湯を頭から浴びると「ふいー」と、だらしないため息が口から漏れた。

バサバサだった髪を入念にシャンプーする。

泡を洗い流すと頭皮が少しスースーする。どうやらメンズシャンプーのようだ。

身体も頭もスッキリして意気揚々とバスルームから出て身体を拭こうとタオルに手を伸ばした。

その瞬間、脱衣所のドアがガラリと開いた。

私は全裸のまま固まる。

「おっと、失礼」コウは動じる事もなく、そのまま扉を閉めた。

何が起きたのか理解出来ずに固まる。

「いやぁぁぁーーー!!」

次の瞬間、私の悲鳴が春日プレジデンスタワーに轟いたのだった。


「そんな気にする事?」

頬杖を付きながら呆れた様子でコウが言う。

私はテーブルの上に頭を抱え突っ伏している。

生まれたままの姿を晒しコウの顔をまともに見る事が出来ない…

「別に今更女性の裸を見たくらいじゃ喜ばないでしょ」

面倒くさそうにコウは溜息をついた。

「…悪かったわね、見ても大して得しないようなプロポーションで」

私は顔を起こし片眉を上げるとコウはクスリと笑った。