ジキルとハイドな彼

私はジッと寝顔に見入っていると、大きな瞳がゆっくり開く。

「おっつ…」

コウはビクっと身体を痙攣させる。

「おはよ」

声をかけると、コウは不快そうにスッと目を細めた。

「なんだ、薫か」

コウは昨日着ていたままの服だったので仕事をしながらそのまま眠ってしまったのだろう。

「誰だと思った?」私は何の気無しに聞く。

「…あき」

コウは寝ぼけて答えた。

そのままゴロリと反対側に寝返りをうつと再び健やかな寝息を立てて眠ってしまった。

あき…って誰だろう。

まさか、彼女?

だとしたら成り行きと言えど、生物学的には女性と区分される私を部屋に泊めていいのだろうか。しかも二泊も。

もしかしたら今は付き合ってなくて、元カノかもしれないし。

ま、別に気にしてないけどね。「あき」のことなんて。

しかし、その名前はきっちり私の頭にインプットされてしまった。

余計な考えを振り払おうと、髪をかきあげると何だかバサバサした手触りだ。

寝汗をかいたのか身体もベタベタしている。

気を取り直して、コウが眠ってるうちにシャワーをお借りすることにした。