ジキルとハイドな彼

「たまたま机の中に入ってたからそれっぽく言ってみた。富永の事を聞きだしたくて」

「その割には結構当たってたよね」私はメロンを頬張りながら言う。

「確かに昔から勘はよく当たるほうなんだ」

思慮深そうな整った容姿のせいか、妙に説得力があり私も納得してしまった。

「しかし、薫が死神のカードを引いた時はさすがに驚いたな」

コウはおかしそうにクスクス笑っている。

「よくも騙してくれたわね。骨董品店の従業員葛城さん」

私は恨みがましいじっとりした視線を向ける。

「僕は演技派なんだ」コウは出会った日のようにニッコリ微笑んだ。

僕ってなんだ、僕って。

本性を知った今となってはすっごく嘘くさい。

「だけど警察署であった時はすっごく怖った。田所さんよりも」

「田所さんより怖いっていうのは、いくらなんでも言い過ぎだろ」

心外だ、と言ってコウは大きな目を見開く。

「よく言うわ。嘘つき鬼刑事」

コウは大きな目をパチクリさせると、次の瞬間、声をあげて笑い出した。

怖くて意地悪だけど、意外と彼は笑い上戸のようだ。