ジキルとハイドな彼

コウが私の首に手を回すと、恐怖でビクリと身体が硬直する。

聡からもらったネックスを引っ張って首から外すと、ポケットの中に入れた。

「これは預かっておくね。調べる必要がありそうだ」

「何すんのよ!」悲鳴に近い声をあげる。

慌てて取り返そうとするが、ガッチリ手首を掴まれて振り払うことができない。

「何の権利があってそんな事するの!」

胸元に掴みかかろうとするが今度は両手を後ろに捻りあげられる。

その拍子に持っていたアタッシュケースを取り落してドサリと地面に落ちる。

優男だと思っていたが随分手荒なマネをするもんだ。

「うーん、強いて言えば国家権力、ってところかな」

コウがそっと耳元で囁くと、遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。