ジキルとハイドな彼

その後ろ姿を見送った後、私は急いで出発の準備をする。

寝巻を脱いで、動きやすい黒のスキニ―パンツに長そでのTシャツを着る。

カーキのマウンテンパーカーを羽織って、言われた通りにダイヤのネックレスを首につけた。

ジュエリーボックスの中でキラリと光るブレスレットが目に留まる。

きっとこの事だ…コウの言っていた厄介な出来事って。

直感的に確信する。

どうしよう、コウは必ず連絡しろ、と言われたけど、聡は誰にも言わないでほしい、と言っていた。

…コウごめんなさい。

お守り的なもの、と言っていたブレスレットを左手首につける。

私を護ってね。

腕に触れた柔らかい唇の感触を思い出し、そっとブレスレットに口づける。

私は15分きっちり計ると、スニーカーを突っ掛けて、そのまま部屋を出て行った。