ジキルとハイドな彼

本日は久々の腐女子会である。

土曜日の昼下がりにガレットが美味しいと評判のお店でランチをいただいている。

「じゃあ、葛城さんとはその後、上手くいってるんだ」

友里恵はシャンパンを一口お上品に飲む。

「葛城さんって例の男前刑事さん?」

珠希はガレットをフォークで切り分けながら、小首を傾げる。

友里恵はコクコクと何度も深く頷いた。

「本当に素敵な人なんだから」

私はえへへー、と照れ笑いする。

「でも葛城さんのハートを射止める迄に薫も色々身体張ってたもんね。逮捕されたり、強盗にあったり、殺されかけたり」

私は人差し指を横に振る。

「体を張るどころか、命懸けですよ」

コウに振り向いてもらうためではなく不幸が続いた結果、たまたまそうなった、というだけなんだけどね。

「それで今も葛城さんと一緒に住んでいるの?」

友里恵が尋ねる。

「それが…」

私は言い淀み、先日の一揉めした出来事にに思いを馳せる―――


ベッドで腹ばいになりながらコウのタブレットを眺めていると、お風呂あがりのコウがタオルでワシワシと髪を拭きながら寝室に戻ってきた。

ギシリとスプリングを軋ませてベッドに腰掛ける。

「何見てるの?」

顔を近づけて、横からタブレットを覗き込む。

「物件情報」

私は画面から目を離さずに答える。

コウはヒョイっと私からタブレットを取り上げる。