ジキルとハイドな彼

「だから無事に帰れた今、会って気持ちを伝えたいって思ったの。変わり身の早い女だって思われるかもしれないわ。だけど私の気持ちは絶対的なものだし誰に何を言われても構わない。貴方がどう思っていても…」

「ストップ」

私のイタリア人ばりの情熱的な愛の告白は途中でコウに中断される。

「まだ続きがあるんだけど」私は眉根を寄せて、コウを見上げた。

「大丈夫、充分伝わった」コウは目元を綻ばせてクスリと笑う。

「でも…」私が不満気に唇を尖らせると、そっと柔らかな唇が重なる。

「だからもう黙って」

コウは頬に手を当てると、再び唇を塞ぐ。

幾度かの軽いキスの後、コウは再び深く口付けた。

もっとキスを味わいたくてコウの首に手を回す。

唇を重ねながらコウは、髪に指を絡ませ、優しく梳いていく。

キスをしながら頭を撫でられるのはひどく心地がよくて、私は思わずうっとりしてしまう。

「寝室に行く?」

コウはうなじに唇を這わせながら尋ねる。

「いや…今日はたくさん走ったからシャワー浴びたい」

「後で一緒にお風呂に入ればいいじゃん」

コウは攻めの手を緩めようとしない。

鎖骨に柔らかな唇が触れると、思わずピクリと身体が反応してしまった。

「なんかそれっていやらしい」

私は目を細めて、チラリとコウに非難の視線を向ける。

「何言ってんの。これからもっといやらしい事するんでしょ?」

私は真っ赤になって黙り込むと「ほら、いくよ」と言ってコウに手を引かれる。

やっぱり私はこの手を振り払う事は出来ない。


翌日、事情聴取に2人して遅刻しそうになり、冷やかされたのは言うまでもない。