ジキルとハイドな彼

携帯電話のアラームが枕元で鳴り響く。

私はもそもそと布団から這い出してアラームか停める。

7時ジャスト…

本当はコウの温もりに包まれて夢から覚めたいとこだったが、昨日体当たりのお誘いも拒まれてしまったので、仕方なしに独りふて寝した。

隣のベッドを見ると、コウの姿はない。使った形跡もないので昨日はリビングで眠ったのだろうか。

私に再度襲われる事を危惧したのかもしれない。

昨日はもうここには戻れないような気持ちだったからあんな大胆な振る舞いをしたものの、一夜明けて冷静になれば私は聡のために死ぬなんて、真っ平ごめんだ。

しかし、付け狙われる要因だった貸し金庫の鍵とダイヤのネックレスを先方へ渡して聡を警察に突き出せば一連の事件には片が付く、はず。

そうすれば私がこの家にいる理由もなくなり、コウと気まずいまま一緒に生活することもなくなる。

上手くやらないとね。

私は両頬をペチリと叩いて気合いを入れた。

フンワリとした白いレースのトップスに黒いスキニ―パンツを合わせる。

普段オフィスにはこんなカジュアルな格好で行くことはないけど、今日は見た目よりも機能性重視だ。

リビングに行くとコウは既に出社した後だった。

コーヒーメーカーにコーヒーが淹ててあり、テーブルには私が大好きなPAULのパンが用意してあった。

よく出来た嫁みたい。

思わず心の中で突っ込んだ。