ジキルとハイドな彼

「犯人が捕まったら、また面通しをしてもらったり、など、まあ色々この後にも手続きが色々あるんですよ」

尾花は淡々と今後の説明をする。

友里恵はその悪びれない態度に憤りを募らせているようだ。

リミッターが振り切れるんじゃないかとたハラハラしてしまう。

「ご迷惑をおかけしますが、お二人のような美女がまた襲われる事になったら大変ですから、何卒ご協力を」

小鳥遊がその様子を察したのか、場を和ませようと見え透いたお世話を言う。

友里恵はふん、と鼻を鳴らして一蹴したが、丁重にお願いしている誠意は伝わったようだ。

わかりました、と言ってとりあえずその場は大人しく引き下がる。

「薫、葛城さんに宜しくお伝えしておいてちょうだい」

友里恵はチラリと私に鋭い視線を投げかけた。

きっと今頃コウはクシャミをしているに違いない。

一席を設ける件については、社交辞令で済まされる事はないだろう。

「よーく伝えておくわ」私は力強く頷いた。