ジキルとハイドな彼

会議室に戻ると、友里恵が刑事に囲まれて、何やら話しをしている。

お茶を配りながら話しに耳を傾けた。

「だから、私の隣に座った金髪の男だけど、ここの所にタトゥーをいれていたわ。蜥蜴…みたいな」と言って左手首を指す友里恵。

「それはこんな絵でしたか?」

コウは先日私がスケッチした強盗犯のタトゥーの絵を見せる。

「こ、これじゃわからないわ」

友里恵は絵を凝視すると、眉根を寄せた。

「では絵を描いていただけませんか?」田所が紙とペンを差し出す。

こんな感じだったかしら、と言って友里恵がサラサラっと黒い蜥蜴の絵を描くと、周囲からほほお、という感嘆の声が挙がる。

「これなら蜥蜴ですね」小鳥遊が言うと、みんな力強く頷く。

「薫が見たタトゥーもこんな感じだった?!」コウが尋ねる。

「それよ!確かに!」

「という事はこの蜥蜴のタトゥーが今回の事件とOAEを結ぶ鍵になりそうですね」

コウが尾花の方を振り向く。

「田所さんは現場に戻って残された痕跡を鑑識をにまわし、犯人グループに繋がる物的証拠を探してきてください」

田所のおっさんは、はい、と返事をすると部屋から出て行った。

「小鳥遊は沖本さん達に付き添って似顔絵の作成をし、出来上がったら過去の犯罪歴から該当の人物がいないか調べてくれ」

「はい」小鳥遊は私たちに向かってウィンクをする。

尾花はテキパキと指示を出して行く。性格はさておき、やはりやり手のようだ。