スキンと頭が痛み、私はこめかみを抑える。

窓の外に目をやると街はイルミネーションで飾られて色鮮やかに輝いている。

トランクを私に託したあの日を境に、聡と連絡が取れることは一切なかった。

無事でいるのだろうか。

目尻に皺を寄せて笑う顔を思い出すと胸が痛む。

散々な目に合ってるというのに無事でいて欲しい、なんて思う私は自分でも嫌になるほどお人好しだ。

不意にコウの大きな手が私の手に重なる。

力を込めてキュッと握り締めると、そのままスルリと離れていく。

大丈夫、と言われたようで何だか少し救われた気がした。


この日も私とコウは駅伝選手さながらベッドに倒れこむ。

色っぽいシュチエーションのはずが、お互い疲労の限界に達し、そんな気もさらさら起きない。

私達の間に甘い時間が訪れる時は来るのだろうか。

それはOAEの出方次第かもしれない。

そう思うと一層犯罪集団を憎らしくなり、組織の壊滅を心より願った。

善良な一市民として惜しみなく捜査に協力しよう。

別に下心があっての事じゃなくてよ?

いいにおいがするコウの広い胸に顔を埋めると一気に眠りに落ちて行った。