「しかし、また薫が襲われるとはな」
帰りの車中で、コウはハンドルを握りながらふと呟く。
「今回もOAEのメンバーだったのかな」
「メンバーって。アイドルグループじゃないんだから」コウはすかさず突っ込む。
「でも、まあその可能性は高いよね。一週間で2回襲われるなんて普通で考えたらあり得ない」
「目出し帽の出で立ちも同んなじだったし」
目が合った時の不気味な笑みを思い出し背筋にゾクリと悪寒が走る。
「小鳥遊が一部始終見ていたから薫から話を聞くこともそんなにないと思うけど、気付いたことがあったら教えて」
「そういえば」私は思い出してハッとする。
「強盗は鞄じゃなくて真っ先にダイヤのネックレスを取ろうとしてた」
私はゴソゴソとポケットから千切れたネックレスを取り出す。
「また毟り取られて壊れちゃったわ」私はしょんぼり肩を落とす。
「薫それ以上触らないで」
「へ?」
「ハンカチに包んで俺に渡して」
コウの口調は俄か緊迫していたので、言われた通りサンローランのお気に入りのハンカチに包んでコウに渡す。
「ありがとう。ちょっと預からせてもらうよ」
コウは運転しながら片手で受け取るとハンカチごとポケットにしまう。
「なんなら返してくれなくていいのよ。そのネックレスを着けてるとロクな目に合わないから」
「まあそう言うな。物に罪はない」
コウは片眉を上げてチラリとこちらへ視線を向ける。
「犯人の狙いはネックレスだった…って事?」
「恐らく」
「聡から貰ったものだ…」
やっぱり、OAEと聡は何らかの繋がりがあるのだろうか。
帰りの車中で、コウはハンドルを握りながらふと呟く。
「今回もOAEのメンバーだったのかな」
「メンバーって。アイドルグループじゃないんだから」コウはすかさず突っ込む。
「でも、まあその可能性は高いよね。一週間で2回襲われるなんて普通で考えたらあり得ない」
「目出し帽の出で立ちも同んなじだったし」
目が合った時の不気味な笑みを思い出し背筋にゾクリと悪寒が走る。
「小鳥遊が一部始終見ていたから薫から話を聞くこともそんなにないと思うけど、気付いたことがあったら教えて」
「そういえば」私は思い出してハッとする。
「強盗は鞄じゃなくて真っ先にダイヤのネックレスを取ろうとしてた」
私はゴソゴソとポケットから千切れたネックレスを取り出す。
「また毟り取られて壊れちゃったわ」私はしょんぼり肩を落とす。
「薫それ以上触らないで」
「へ?」
「ハンカチに包んで俺に渡して」
コウの口調は俄か緊迫していたので、言われた通りサンローランのお気に入りのハンカチに包んでコウに渡す。
「ありがとう。ちょっと預からせてもらうよ」
コウは運転しながら片手で受け取るとハンカチごとポケットにしまう。
「なんなら返してくれなくていいのよ。そのネックレスを着けてるとロクな目に合わないから」
「まあそう言うな。物に罪はない」
コウは片眉を上げてチラリとこちらへ視線を向ける。
「犯人の狙いはネックレスだった…って事?」
「恐らく」
「聡から貰ったものだ…」
やっぱり、OAEと聡は何らかの繋がりがあるのだろうか。