ジキルとハイドな彼

ふと目を覚ますと白い天井見えた。

白い壁に囲まれた部屋の白いベッドの上に私は寝かされている。

腕には透明のチューブが刺さっていた。

「起きた?」コウが心配そうに私の顔を覗き込む。

「ここは?」

「病院だよ。襲われた後に倒れて運ばれたんだ。神経性の失神だろうって」

ま、飲み過ぎだね、と言ってコウは呆れたようにスッと目を細めた。

「そ、そうだったんだ。ご、ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした」

私はおずおずと頭を下げた。

コウの顔を見ると目の下に薄っすらと隈が出来ており、顔色が優れない。

Yシャツとスーツ姿のところを見ると仕事だったようだ。

時計を見ると23時を過ぎた頃だった。

「気分は悪くない?大丈夫?」

コウが額に手を添えると、ひんやりとした感触が心地よい。

「大丈夫。ありがとう」

「怪我がなくてよかった」

コウは唇の端を上げて微かに笑って見せる。

ああ…やっぱりこの人の側にいる限り、自分の気持ちに見て見ぬふりなんてこれ以上出来ない。

その時、部屋のドアがノックされる。

コウが「どうぞ」と返事をするとガチャリとドアが開いた。

「失礼します」

中に入って来たのは、キツネ顔の尾花と小鳥遊という意外な組み合わせだった。

私は慌てて上半身を起こす。

「横になったままでも結構です」

尾花は手で制したが、寝そべったままでいる訳にもいかない。

「大丈夫です」

コウが病室にあるパイプ椅子を出すと尾花と小鳥遊はベッドの脇に腰を下ろした。