ジキルとハイドな彼

強烈な喉の渇きで目が覚める。

「み…水…」

見慣れない天井に一瞬ここがどこか解らなくなる。

そうだ、私は高級ホテルにお泊りしたんだっけ…しかも一人で。

よたよたと老女のように身を起こしベッドから抜け出す。

ホテルのミニバーにあるミネラルウォーターを取り出して一気に飲み干した。

時計を見ると既に8時を指している。

寝汗をかいたのか、首周りがベタ付いていたので一先ずお風呂に入ることにした。

バスタブにお湯を張り、ゆっくりと肩まで浸かる。

昨日のエステが効いているのか一晩経ってもお肌はツルスベだ。

家に帰るまでにこの効果が続いていてほしい。

なんだか胸がヤキモキしていても立ってもいられない感じ。

一刻も早くコウの顔が見たい。

でも、あきがまだいるかもしれないし…。

そう思うと、身がすくんで帰ることもできない。

どうしたものか。

私はブクブク泡をはきながらお湯の中に身を沈めた。


お風呂から上がると、髪を乾かし入念にメイクする。

時計を見るとまだ10:00。チェックアウトまではまだ2時間はある。

だけど、このまま部屋で時間が経つのをジッと待っている気にもならない。

「よし!」私は覚悟を決めて立ち上がる。

やっぱり部屋に帰ろう。

あき、が来ているなんて私の思い違いで紀憂かもしれないし。

もし本当に泊っていたとしても、コウを振り回すなんてどんな女性なのか見てみたい。

今日の私はツルスベなのでそんな強気な事を思ってみたりする。

荷物を纏めると、私は部屋を後にした。