ジキルとハイドな彼

時計に目をやると5時を過ぎた頃だった。相談が終わったのか、コウは私に視線を向ける。

「沖本さん、貴重な証言をお聞かせいただいてありがとうございます」

尾花はこちらが恐縮するくらい深々と頭をさげる。

「また捜査の進展によってはご協力いただくことになるかもしれませんが、犯人逮捕のため、何卒ご理解いただきますよう、よろしくお願いします」

そんな立派な口上立てられちゃ、こちらも返す言葉がなく、はい、とだけ、ボソリと呟いた。

2人にエスコートされ、聴取室を出る。

帰り際、尾花から、何か他に思い出したありましたら、こちらに連絡ください、と言われ名刺をもらった。

私はありがとうございます、とだけ応え受け取った。


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帰りは再び、小鳥遊に送ってもらう。

小腹が空いたので、ファミレスに寄ってもらった。

一人で食事をするのも詫びしかったし、話相手も欲しかったところだったので、「勤務中ですから」と言い張る小鳥遊を、私が奢る条件付きで付き合わせた。

「あんた、渋ってた割には、結構な食べっぷりじゃない」

小鳥遊の前にはビッグハンバーグミックスフライ付きと大盛りのライス、サラダとフライドポテトが並んでおり、既に2/1は奴の胃の中に納まっている。

コウも良く食べると思ったけど、小鳥遊はそれ以上かもしれない。

「育ち盛りなんですよ」

「もう流石に成長は止まってるでしょう…その食べっぷりでその細さ。あんたどんだけ燃費が悪いのよ」

グサりとサラダにフォークを突っ込む。