ジキルとハイドな彼

「何を占ってほしい?恋愛?仕事?お金?」

「じゃあ、恋愛で」

「恋愛のどんな事を占ってほしい?」

「最近付き合い始めた彼のとの今後を」

OK、と言って、コウは机の上にタロットカードを広げる。

「目を瞑って。彼の事をよく考えながらカードを混ぜて」

言われた通りに目を瞑りカードを両手でかき混ぜる。

「彼はどんな人?」

「ちょっと強引だけど一緒にいると楽しくて優しくてとても刺激的な人。どこか謎めいていて掴み所がないの」

「容姿は?」

「背は175㎝くらいで中肉中背。目がギョロっとしていて派手な顔立ちだけど、まあまあいい男よ。コウには負けるけどね」

「職業は?」

「インテリア雑貨を輸入する会社を経営しているの。なかなかセンスがいいわ」

「どこで出会ったの?」葛城が芸能アナウンサーばりに質問をしてくるので閉じていた目を開く。

「ちょっと、なんでそんな色々質問してくるの?」

「その方が薫もイメージしやすいでしょ」

「まさか」私は眉根を寄せて訝しそうな視線を送ると、コウは一瞬目を目を泳がせた。

「ズルしようってんじゃないでしょうね?」

コウは目を見開いて、は?と間の抜けた声で聞き返す。

「だから、そうやって事前情報を聞き出して後からもっともらしいことを言うっていう手口なんじゃないの?」

コウは可笑しそうにクスリと笑う。

「そんな訳ないよ。本当に薫のイメージがカードに伝わりやすくするために色々聞いているだけだから」

本当かな、と言って疑わしそうに目を細めると、コウは私をまっすぐ見据える。

「僕が占うのは彼の人となりじゃなくて、これから起こる未来のことだよ」

整った顔で言われると何だか説得力が増す。

「わかったわよ」

再び私が目を瞑ると、仕切り直すように、コホン、と小さく咳払いをしてコウは質問を続ける。