ジキルとハイドな彼

広いベッドに二人は倒れこむ。

…といっても色っぽい雰囲気とはほど遠く、どちらかと言えば、全力を出し切ってゴールへ駆け込む駅伝選手のような感じ。

並んで横になっているとコウが手をつないできた。

これくらいはいいでしょ、というようにチラっと私を見る。

「今日はありがとう。また助けてもらっちゃたね」

コウは返事をする代わりに、握る手に微かに力を込める。

繋いだ手は暖かくて、あんな怖い思いをしたことが嘘のように安心出来た。

コウの様子を横目で盗み見ると、既に健やかな寝息をたてて眠っている。

のび太かっ!

とは言うても、きっと仕事の後に一連の騒動で疲れて果てているのだろう。

まだ強盗の恐怖を打ち消すのには足りない、と自分にいい訳しつつ、寝ているコウの身体に擦り寄っていく。

広い胸に顔を埋め、人肌の温もりが伝わってくると、一気に眠気に包まれていくのを感じた。