ジキルとハイドな彼

「まさか!一緒にいたわけじゃないっすよね?!」

驚いて小鳥遊はデカい声で叫んだ。

捜査していた警官達の手がピタリと止まり一斉に私に注目が集まる。

「なに馬鹿なこと言ってんのよ!」私の顔は瞬間に耳まで赤くなる。

コウが大きく咳払いをすると、警官達は慌てて元の仕事に戻った。

「じゃ、薫さん、行こっか」小鳥遊が私の背中を押して促す。

「へ?どこへ?」

「決まってるじゃーん!警察署だよ!被害状況の調書とらなきゃ」

あぁ、その前に病院か、と小鳥遊はツイートする。

それを聞きつけるとコウは私の腕を掴んで自分の傍に引き寄せ、小鳥遊を睨みつける。

「お前!ふざけてるのか?彼女は怖い目にあったばっかりなんだぞ?!それに怪我までしているのに、こんな夜中に出頭させるなんて非常識だろう!」

珍しくコウが声を荒げる。

田所はニヤリとわらって小鳥遊の肩に手を置く。

「まあまあ、小鳥遊、葛城さんのいってることは一理ある。お嬢もまだショック状態から抜けきれていない。とりあえず、病院に連れてって、調書はまた明日でもいいんじゃないか?」

「でも、そんなこと行ってる場合すか?薫さんは犯人もみてるようだし、捜査の足がかりになるかもしれないっす」

小鳥遊が不満気に唇を尖らせて抗議すると田所は大きく頷く。

「そうだな、その点ではお譲の証言は非常に重要になる。そこに異論はありませんな、葛城警視」

「はい」コウが答える。

「では今晩は葛城警視にお任せして、明日署に連れてきてもらえばいいじゃないか」

「は?」コウが目を見開く。