ジキルとハイドな彼

しかし、その瞬間脚を捕まれ横倒しにされた。

「離してっ!!」

脚をつかむ強盗の頭を何度も蹴り上げた。

強盗は観念したのか足を離すとそのまま立ち上がり玄関へ向かう。

蹴った拍子にズレた目だし帽から茶色い髪の毛と首のタトゥーが覗いた。

そのまま強盗は玄関から立ち去っていた。

頭を打った衝撃でヨロヨロとしながらも、なんとか立ち上がり玄関の鍵とチェーンをしっかりかけた。

そこで力つき膝を抱えて座り込む。

恐怖と混乱で息があがり、全身は震えが止まらない。

よかった…生きてる…。

…でも、また強盗がもどって来たらどうしよう。

強盗がこの付近をうろついていると思うと外には絶対にでられない。

鞄をひっくり返し、携帯電話を掴みとると、画面をタップする。

呼び出し音が3、4回鳴ると繋がった。

『薫?どうしたの?』

寝ぼけて掠れた声だったが、聞くと安心したのか涙が零れた。

「た、助けて…今すぐうちにきて。お願い」

ただならぬ切迫詰まった状況が伝わったのか、すぐ行く、とだけ言い残し電話は切れた。