「すずちゃんって、男子の前だけ態度がちがうよね」



「ねー! 調理実習のときだって、助けてもらってニコニコしてたし」



ーードクン。



あたしのことだ。


ドクンドクンと騒がしくなっていく鼓動。


まさか、自分のことを言われるなんて考えてもみなかった。



それに、2人がそんな風に思っていたなんて。



「ちょっとかわいいからって調子に乗ってるよね」


「ねー!」



あたしは教室に入っていけなくなって、その場に固まったまま、どうすることもできなかった。