誰?


なんて思っていると、その男の子はクスッと笑った。


なぜかその笑顔にドキッとして、一瞬で頬が熱くなる。



「俺も同じ受験会場にいたんだ。お互い良い結果が出るといいよな。じゃあ」



爽やかに手を振って、その男の子は駅の中に入って行った。



知らなかった。


こんなにドキッとする笑顔もあるなんて。


やっぱり笑顔はいいなー。


うん、あたしももう少し笑顔で頑張ってみよう。


そうすれば、少しずつ何かが変わって行きそうな気がする。


あの女の子に、もう一度出会えそうな気がするんだ。


さっきの男の子にも……なんてね。