帰り道、雨はすっかり上がって青空が顔を覗かせていた。 「わー、虹だぁ!綺麗」 駅に着いた時、空を見上げると大きな虹がアーチを描いていた。 思わず立ち止まって、あまりの綺麗さに自然と頬が緩む。 「綺麗だなぁ。なんだか癒されるよ」 「本当、受験の疲れも吹っ飛ぶよな」 え……? 声がしてふと隣を見ると、王子様並みに整った顔立ちをした男の子の横顔が目に入った。