全身にまとう大量の汗。

外で力強く鳴く蝉たち。

ひんやりと冷たい床。

慌ただしくなる人たち。




一一あれ、俺、ここでなにしるんだ。




なにが起こったのか、頭の中が真っ白になった。


分かったのは、全身が痺れで動かなくて、体が動かないこと。


目の前にある、電光掲示板を見ながら



一一早く立たないと。こんなところで終わるわけにはいかないんだ。



そんなことを思うが、気付いた時には担架に乗せられて、救急車に運ばれていた。



足の痛み。

チームメイトの不安げな表情。

観客席の幼なじみの泣き顔。


全てが鮮明に頭に入ってくるのに。

俺はなにもできないまま


最期の夏が終わった気がした。