焼き肉を終え、本当の帰路についた。
リンゴは次第にうなだれていく。
「ごめんね、アンちゃん」
「いいよ。明日だからね、勝負の日」
「ちゃんとお泊まり道具持ってきたよ‼」
「もちろん勉強道具もだよね」
「………うん」
明日は数学と化学。テスト2日目にしてすでに山場を迎えた。私も得意っていえる分野ではないけど、リンゴよりは断然できる。
リンゴの赤点回避のために、今日は私の家で勉強会。
駅で千夜組3人(電車乗り換え)と真島くん(逆方向)と別れ、家に向かった。
真島くんは“僕も勉強会に”と最後まで言っていたけど遠慮した。
「斗真くんって家こっちなんだね」
「コイツんちの隣」
「リンゴ知らなかったっけ……?」
「うーん、あんま興味なかったかも」
「あ、そう……」
帰り道のふとした会話に、たまに友達なんだろうかと思ってしまう。
「そういえばこっちの道くるの久しぶりだなぁ」
「リンゴとは駅で別れるもんね。家で遊ぶこともないし」
お互いの家でよく遊んでいたのは小学生くらいだったかな。
中学生なってからはプラネタリウムか駅の周辺で遊ぶのが当たり前だった。
「ね。でもいいな、アンちゃん。同じ方向の人いてうらやまし」
「雨宮はどこ住んでんだよ」
「私はね、駅の向こう。学校から駅の方くるでしょ?そのままちょっと左にまっすぐ行くの」
「へぇ。駅近いのか」
「うん。歩いて5分くらいのマンション」
「……金持ちなのか?」
「まずまずかな?」
自分の家はお金持ちだということを否定しないリンゴはさすがだと思う。
それよりも斗真が普通に会話に入ってきたことが私は嬉しかった。今までだったら絶対なかった。
私と同じ。少しずつでもみんなに溶け込んできたみたいで、そんな変化が嬉しく感じるんだ。
リンゴは次第にうなだれていく。
「ごめんね、アンちゃん」
「いいよ。明日だからね、勝負の日」
「ちゃんとお泊まり道具持ってきたよ‼」
「もちろん勉強道具もだよね」
「………うん」
明日は数学と化学。テスト2日目にしてすでに山場を迎えた。私も得意っていえる分野ではないけど、リンゴよりは断然できる。
リンゴの赤点回避のために、今日は私の家で勉強会。
駅で千夜組3人(電車乗り換え)と真島くん(逆方向)と別れ、家に向かった。
真島くんは“僕も勉強会に”と最後まで言っていたけど遠慮した。
「斗真くんって家こっちなんだね」
「コイツんちの隣」
「リンゴ知らなかったっけ……?」
「うーん、あんま興味なかったかも」
「あ、そう……」
帰り道のふとした会話に、たまに友達なんだろうかと思ってしまう。
「そういえばこっちの道くるの久しぶりだなぁ」
「リンゴとは駅で別れるもんね。家で遊ぶこともないし」
お互いの家でよく遊んでいたのは小学生くらいだったかな。
中学生なってからはプラネタリウムか駅の周辺で遊ぶのが当たり前だった。
「ね。でもいいな、アンちゃん。同じ方向の人いてうらやまし」
「雨宮はどこ住んでんだよ」
「私はね、駅の向こう。学校から駅の方くるでしょ?そのままちょっと左にまっすぐ行くの」
「へぇ。駅近いのか」
「うん。歩いて5分くらいのマンション」
「……金持ちなのか?」
「まずまずかな?」
自分の家はお金持ちだということを否定しないリンゴはさすがだと思う。
それよりも斗真が普通に会話に入ってきたことが私は嬉しかった。今までだったら絶対なかった。
私と同じ。少しずつでもみんなに溶け込んできたみたいで、そんな変化が嬉しく感じるんだ。


