お菓子な男の子

あのグタグタのせいで、昼休みはあっという間だった。


放課後なんてすぐにきて、約2時間前に会ったばかりの千夜先輩と再び会う時間になった。


「私掃除あるから、アンちゃん待ってて」
「オッケー」


掃除休み週間だった私は、廊下でリンゴを待つことにした。特にやることもなく、壁に寄りかかりボーっとしていた。
だから、全然気づかなかった。


「杏奈」
「うひゃあ‼び、びっくりした!斗真?」
「別に驚かしたつもりねぇよ」


少し不機嫌顔の斗真。てか、不機嫌じゃないときが珍しい。
なんでいつも怒っているんだろう。寿命縮まるよ?


掃除を終えたあとなのか、手が濡れている。拭く間も惜しんできたのか、拭くものを持っていないのか……


「ほら、ハンカチ」
「え、あ、おぉう……サンキュー……」
「廊下に水撒き散らさない!廊下掃除に迷惑でしょ」
「うるせぇよ」


一瞬ゆるんだ顔が、また不機嫌に戻った。こっちのほうが斗真らしい。


「それでどうしたの?」
「あ、明日のことだけど……」
「プラネタリウム館のこと?」


集合時間とか聞きにきたのかな。一緒に行くなんていってないよ?


「それだけど……千夜煌、くんのか?」
「え?」


そこ?