お菓子な男の子

「うわ、今日もいっぱいじゃん。何人?」
「15人」
「ボリューミーだね。あ、マシマリョくんにも1つあげようか」
「いらない。早く帰れ」


お弁当はもらいものと確定。それにしても、噂どおりモテるんだな、千夜先輩と久喜会長。
その千夜先輩がこっちにくる。女子の視線が痛い…。


「今日の部活は大事なお知らせがあるから、必ず来てね!以上!」
「え?それだけ…ですか?」
「言ったでしょ?杏奈ちゃんに会いたかったって。じゃあね!」
「悪かったな、諸星」


ひらひら手をふって、千夜先輩は教室を出ていった。真島くんがシッシッと手ではらう。
私に会いたかったって……また冗談ばっかり。


自分には関係ありません、を貫いていたリンゴが、おにぎりをほおばりながら私を見つめてきた。


「煌先輩が会いたいなんて……」
「どうせ女子にキャーキャー言われたくて校内まわるついでの言いわ……」
「かわいそ、アンちゃん」
「……あ、うん」


リンゴは千夜先輩のことがあまり好きではないことが分かった。
興味なさげな目で、多少殺気だっている女子を眺めている。


「部活、好きだけどヤだね」
「でも行かなきゃだよね」
「うん。多分帰ろうとすれば玄関で待ってるもん、煌先輩」


私たちの認識はこんなもんです。