えっ?今度って今日1日だけじゃないってこと?

佐藤くんは一体どういうつもりでそんなこと言ってるんだろう?

私をからかってるの?


「そうそう、もしかして身内以外の異性からこういうことしてもらうのも初めて?」

何て言いながら私の手を握ってきた。しかも指を絡めるように。これって噂に聞く恋人繋ぎって言うのじゃないの。

「さ、佐藤くん周りの人が見てるよ。私なんかと恋人かもなんて勘違いさせたら佐藤くんに申し訳ないから、ねっ。」

歩いてから暫くしてやたらと視線が気になるようになってきてた。最初は私の目付きのせいなんだと軽く落ち込んでたんだけど、視線の先は佐藤くんだった。しかも女性だけ。

改めて横目で佐藤くんを覗き見るとそこには中学生の頃の可愛いらしい容姿から男の色気を含んだ彼がそこにいた。

あー、そうだよね。こんなにかっこよくなっちゃったんだもん、私だってもし佐藤くんの事知らなくて街で見かけたら思わず見ちゃうかも。

だから今この状況はとても佐藤くんに申し訳ない。

「えっ、誰も見てないよ。

それと今度私なんてって言ったらその時も罰ゲームだから。」

ニコッ


「うっ。」

いやいや、皆見てますから。それにまたまた罰ゲームっていったい何をやらされるの?
しかも今日は会った時からどす黒いの全開なんですけど。
だから尚更怖くて罰ゲームの内容を聞けないよ。

「それとも俺と繋ぐの嫌?」


どきっ。

今度は色気たっぷりな笑顔。
あなたは本当に佐藤くんなんですか?


「嫌なんて、そんな。」

もー好きにしてくださーい。
心の中でそう言わずにはいられなかった。