「これで俺たちも友達だね。

俺は前から早乙女さんとは友達にって思ってたんだけど、早乙女さんの事だからはっきり言わなきゃ分かんないと思ってさ。」


うっ、その通りだ。だって私なんかが佐藤くんと友達だなんてそんなおそれ多い事思える分けないもん。でも佐藤くんは友達だって言ってくれた。

嬉しくて泣きそうになる私は瞳を麗せながら、


「本当に私とお友達になっていいんですか?」

「う、うん。もちろん。」

でも言葉とは逆に目を反らす。

やっぱり無理させてるよね。

「そんなに無理しないでください。私は佐藤くんと同じクラスになってこうしてお話しできるだけでじゅうぶんなんですから。」

これは本心。はなから友達になれるなんて思ってなかったし、これはいつもの事。

「やべっ、俺またやっちゃった。

ごめん早乙女さん。俺が目を反らしたのはそのー、恥ずかしくてだから嫌とかじゃないから。
俺本当に友達になりたいんだけど。」

恥ずかしい?怖いんじゃなくて恥ずかしい?

……、

「そうなんですか!

私と目が合っても嫌じゃないんですか?」

「昨日も言ったけど俺早乙女さんに見られて嫌だなんて思った事ないよ。

信じてくれる?」

うっ、その顔でそんな言葉反則です。

「は、はい。信じます。」


「よし、じゃあ交換しよっか。」


「はい。お願いします。」

「それから、友達なんだからこれからは絶対敬語禁止ね。」