そんな私の考えを読んだのか楓が、

「矢代くん、ほのかの何処が可愛いと思う?」

ニヤニヤしながら聞いてきた。

「うーん。

顔もスタイルも申し分ないけど、特に目かな?なんかほのかちゃんに見つめられるとドキドキしちゃうんだよね。」

顔もスタイルもなんて持ち上げすぎだよ。でもやっぱり私と目が合うと石になっちゃう的なドキドキがあるって事だよね。なんだか谷底にまっ逆さまって感じ。それなら最初に持ち上げてくれなくてもいいのに。

「ドキドキってどういう意味で?」

楓ったら何を聞くのよ。もうこれ以上惨めな思いしたくないのに。

「それは勿論こんな魅力的な瞳で見つめられたらたいがいの男は意識し過ぎてドキドキしちゃうんじゃないかな?」


へっ?

何か今言ったこと理解できないんだけど、瞳が魅力的だとか意識し過ぎてドキドキするとか、一体誰の話ししてるの?


「おーい、ほのかー。」


はっ、


「な、なに?」

「今矢代くんが言った事理解できた?」


「いえ、さっぱり。」

「やっぱりね。」

矢代くんは私達のやり取りを不思議そうに見ていた。

「ごめんね、矢代くん。

この子自分が可愛いってことまったく分かってないんだ。」


「えーー、そうなのー!

こんなに可愛いのに!」


「そうなのよ、だから矢代くんからもほのかに自信をつけさせてくれない?」


「そんなの全然いいよ。

もう時間がないから地元に帰ってからまた会わない?」


「そうだね、ほのかそれでいいよね?」

二人の会話に入っていかれず気が付いた時には楓に決まりだからね。って言われていた。

矢代くんと別れた後ぼーとしながらお土産を見ていた私の隣に佐藤くんがきて、

「今の人誰?早乙女さんの知り合い?」

「えっ、あー、知り合いって言うかこのホテルで偶然エレベーターが一緒になって隣の南校の人なんですよ。それでこれも何かの縁って言うことでアドレス交換したんです。それでまた今偶然会って。」


「ふーん。アドレス交換したんだ。」

「は、はい。」

ん?佐藤くんどうしたんだろう?何か気にさわるような事私言ったのかな?
もしかして会ってすぐアドレス交換とかするなんて軽い女だと思われたとか!

どうしよう。折角話せるようになったのに嫌われちゃったら。

「早乙女さん。あいつとアドレス交換したんなら俺とも出来ない?」

私が佐藤くんとアドレス交換!?


うそ!そんな夢のような事していいの?


「嫌かな?」

照れながら微笑む佐藤くんに私の心臓はドキドキしっぱなし。


「そんな、嫌だなんて滅相もない。

私なんかでいいんですか?」


「俺は早乙女さんにお願いしてるんだけど。」

きゃー!今度はキラキラ眩しい笑顔だー!

「は、はい。是非お願いします。」