いけてない私の育てかた

帰り支度をしてから約2時間は自由行動となり私と楓はホテルのお土産コーナーを見ていた。すると何処かで聞いたことのある人懐っこい声で、

「楓ちゃーん。ほのかちゃーん。」

私達の事をこんな風に呼ぶ人を私達は知らないって言うか忘れてたんだけど。

声のする方を見るとそこには可愛らしい顔をした男の子が私達に手を振りながら近付いてきている。

だ、誰?私はほんとにまったく彼の事を覚えていなかった。

ところが楓は、

「あー、あいつか。」


「えっ?楓知ってる人?」

「そっか、ほのかはほとんど顔見てないんだ。ほら、着いてすぐエレベーターで乗り合わせた名前はえっとー、矢代冬馬。」


ん?やしろとうま?……、

あっ、思い出した。

「おはよー。結局同じ階だったけど会わなかったね。もうこのまま会えないかと思ってたよ。」

「別に会えなくても良かったけど。」

あいかわらず楓はキツイなぁー。聞いてるこっちがハラハラするよ。

でも矢代くんはそんなことちっとも気にしてる様子はない。それどころか

「えー、そんな寂しいこと言わないでよ。折角友達になったんだからさ。」


「私はあんたと友達になった覚えないけど。」

「えー酷いな楓ちゃんは、ほのかちゃんはそんな酷い事言わないよね。」

私に微笑みかけてきたその顔はまるで天から降りてきた天使のように可愛かった。

「は、はい。

私は友達リストに入れさせてもらいました。

あっでも迷惑だったら外します。」


「迷惑だなんてこんな可愛い女の子が僕のメアド登録してくれたなんて嬉しいよ。」


か、可愛い?怖いとか無気味とかの間違えじゃなくて?