いけてない私の育てかた

部屋に戻ると楓が扉の前に正座をしていた。


私が部屋に入るなり


「ごめん、ほのか。」


急に頭を下げて謝ってきた。


えっ、なんで楓が謝るの?私が謝ろうって思ってたのに。


「今まであんな偉そうな事言ったくせに自分の本心をほのかに言われて何も言えなくて逃げ出しちゃうなんてホント自分が情けないよ。
ほのかは私の親友なんだよね?」


「うん、もちろん。」

私は何の躊躇もなくすぐに答えた。


楓は少しほっとしながら自分の事を話し始めた。


「実は私もほのかと同じで自分の顔が嫌だったんだ。

この顔のせいで小さい頃から変なおじさんに声は掛けられるわ、小学生の頃はまだマシで楓ちゃんは男の子にモテてズルいで済んでたけど、中学に入ると男子に媚びてるだとか軽い女だとかって言われちゃうし、だから高校は同中の子のいない学校を選んで化粧して自分の顔を隠してたんだ。」

綺麗な顔のせいでいじめにあうなんて思ってもみなかった。それでわざと濃い化粧して自分の顔を隠してたんだ。

「楓、私の方こそごめん。

楓にそんな事があったなんて知らなかったから私きっと今まで何度も綺麗な顔に生まれてきたかったってそしたらいじめにだってあわなかったって言ってたと思う。

私って最低だよね。」


自分の浅はかさに涙が出そうになった。
楓と友達になって彼女に何か人には言えない闇みたいなものがあるって気付いてたはずなのに私は自分の事ばかりで気付かないふりしてた。

私が楓の親友でいる資格ないじゃない。

でも楓は違った。そんな私の気持ちを察したのか、

「ほのかは最低なんかじゃないよ。

むしろ私の方が最低。
私はほのかの事利用してたんだよ。ほのかを変える事で自分自身が変わってるんじゃないかって勝手に思い込んで。
お風呂に入る時だってそう。ほのかには偉そうな事いったくせに内心ビクビクしてそれを隠すために冷たい態度とったりして……。」

下をむきながら微かに肩を震わせる楓。そんな彼女の両肩を抱きながら、

「なーんだ、そうだったんだ。

私はてっきり楓に嫌われるような事でもしたんじゃないかって思ってたよ。

良かった。」


えっ?楓は何が起きたのか分からないとでもいうような顔をしている。

「私ね、楓に隠し事されるより嘘つかれるより嫌われるほうがどんなに嫌か。
今ハッキリわかったんだ。

そりゃー、もっと早くに言ってくれたらと思う気持ちもあるけど、それでも楓話してくれた。だからもう何とも思ってないよ。」


「ほのか……。」


楓の綺麗な顔がくしゃくしゃになる。

「よし、今日も明日もお風呂から上がったら二人ともスッピンでいくよ。

こんな風に考えられるようになったのも楓がいてくれたからだよ。」