あたしの流星

それから、風が吹き抜けるみたいに、あたしの耳には先生の声もクラスで騒いでる生徒の声も遠く聞こえた。






意識が戻ったのは、彼があたしの名前を呼んだ時。







「んじゃあ、自己紹介とホームルームはこんなもんでいいか。明日はお前らに一人一人自己紹介してもらうからなー。とりあえず今日は解散お疲れさん……と言いたいところだが、明日早速授業で配るプリントのホチキス留めを頼みたいんだなー。って言っても、誰もやりたがらないだろうし?俺が勝手に決めちゃいます!名前呼ばれたやつは俺とランデブーでラッキーって事で」







「ええー嬉しくねー!」








「まぁまぁ、そう言いなさんな。……えーと、じゃあ………七瀬、すず………よし!七瀬すず!」









最初呼ばれた声すらぼんやり聞いていて、前の席の遊菜に机を叩かれるまで気がつかなかった。








ワンテンポ遅れてから「………はい」とこ会えた声は、簡単に言って、死んでた。








なんで、……あたし、なの……。








べつに、他の人でもいいのに、なんで………。








ほんと、ついてない。








アンラッキーすぎる。








しかも、あたしの名前しか呼ばれなかったってことは、先生と二人にならなきゃいけないかもしれない。








そう思ったらまた、ドロっとした感情があたしの中に流れ出す。