あたしの流星

「え、いや、、いやいやいや!!そんな、好きとかじゃないよ!!ただ、なんか、なんとなく、気になるだけで!」







「なにもそんなに言葉に詰まらなくても。いかにも怪しいんだけど」







「遊菜、からかって面白がってるでしょ!?」







「だってすず、面白いから」







「ひどーーい!」







「うるさいぞ〜。予鈴なったろー、席つけー」






予鈴……なんて、なった、だろうか……。






あれ?






この声………何処かで聞いた……?







あたしの後ろから声がした。







あたしの知ってる、一度聞いた声。







嘘…。







だってまさか。







すぐ会えるって、あなたは言ったけど。







颯爽と教室に長い脚を動かして入ってくる、彼は。







あたしの頭にクラス名簿をポンと乗せる。






「よ!だからすぐ会えるっていったろ?七瀬」







「う、そ……せん、せい?」







「なにそんな驚いた顔してんだ。俺が先生じゃなんか問題でもあるのかよ」







「………なにも…ありません」







なにかが、あたしの中から抜けて行く気がした。






冷たくて、冷静なひんやりした……これは感情だろうか。







ただ呆然と立ち尽くすあたしの横で遊菜が耳元に唇をよせる。







「まさかとは思うけど、すずの言ってた彼って、あの人?」






「………そう、みたい…だね」







「えっ!?……だって、あれ…………先生だよ?」







「……うん、だから、………別にいいの」







のろのろと自分の机に向かう。