中に入ると真っ先に遊菜が突進する勢いで向かってきた。







「すーずーーーっ!!どこ行ってたのさ!探したんだから!」







「ご、ごめん!はぐれちゃって……あたしも探したんだけど……」







「全く!今度はぐれたらGPSつけますよ!?」







「……う、うん、気をつけます、ごめんなさい」







「うむ、許してつかわす。あ、そうだ席確認した?すずあたしの後ろの席だよ」







「え?そうなの?やったあ!」







「ね!?中学からずっとクラスも一緒って、それだけでもすごいのに、高校では席が前後って、やっぱりあたしたちなんかあるよね!?」







「うん、そうだね。……あ、そうだ、遊菜ここくるとき中庭通ってきた?」







「中庭?あぁ、あの筒抜けになってるところね。そこの階段から上がったら近いって案内看板にかいてあったから、そこから来たけど、それがどうかした?」







「あ、うん、そこで、人見なかったかなぁって」






「人?……いや、見てないけど、どんな人?」






「えーと、男の人なんだけど、なんか意味深なこと言ってて、それにちょっと変な人……だったから」







「えー、なになに?!すずが男の人に興味持つなんて珍しいじゃん。ここの生徒?」







「うーん、どうだろ?多分そうだと思うけど、先輩な気がする」







「へぇ!!やるね、すずも!それでそれで?!」







「うん、名前聞かれたんだけど。聞いたわりには自分のこと何も言わなかったから」






「え、どういうこと?」







「なんか、またすぐに会えるって…そう言ってた気がする」







「なにそれ意味深!!」






「うん、だから、不思議な人だなぁって」







「…………ふぅーん。そういうことか」







「え!?何かわかったの!?」







「その人のことはさっぱりだけど、すずその人のこと好きなんだなぁって思ってさ」







「……………え……ええええっ!?」