あたしの流星

あたしはホチキスを先生から受け取ると、資料が積まれている机に座る。






「あの、この机って………」






「ん。俺の特等席」






やっぱり。






今年からだから、あんまりものがごちゃごちゃしていない、綺麗な机。






あたしが座るこの位置は、これから先生が座る席。






「おーい。七瀬ー。手が止まってるぞー」






「おわっ!す、すみません!」







「しょうがねーなぁ。七瀬、もうちょい向こう寄ってくれる?」






先生があたしに人差し指で、机の端によれと指差す。






あたしは何も言わないものの、おずおずと椅子ごと横に寄った。






と。







「……っ!?」







余って避けられていた椅子を引っ張ってきた先生は、あたしの横に座ってあたしに向かってホチキスをちらつかせる。







「お前待ってたら明日になりそうだからな。俺も手伝ってやる」






この距離に加えて、その時の先生の意地の悪い顔ときたら……。






だめ。
心臓ドキドキしすぎて、あたし、死にそう。






「…っお、お願いします!」







真っ赤になってる顔を見られたくなくて思いっきり俯いた。






可愛くない。






態度悪いし、全然可愛くない。